ハンドボール強豪校の練習
ハンドボールの強豪校はやはり練習から違います。
強豪校と合同練習をして感じたその違いをぜひ参考にしていただければと思います。
1.走力を高める
ハンドボールはダッシュを繰り返すスポーツです。
当然ながらスピードは必要ですし、それを維持する力も必要です。
試合後半でも走り続けるだけの余力があれば、パスやフェイントも余裕をもって正確に行えますから、結果的にプレーレベルの向上につながります。
ある強豪校はインターバルダッシュだけで1時間使うこともありました。
彼らは最後までスキのない、切れ味のあるプレーをすることで有名でした。
そういったプレーはダッシュによって支えられていたのでしょう。
2.ミスを少しでも減らす
すべてのミスが失点につながります。
私がハンドボールをやっていたころよく言われた言葉に「ミスは2点分の損失だ」というものがありました。
+1が-1になるのですからそれを取り返すのはとても難しいことです。
強豪校の選手たちは難しい技術を身に着けることよりも、まずミスしないように練習していました。
特に、パスでミスをしているようではどんなすばらしい作戦もうまくいきません。
彼らのパス練習に対する集中度はすさまじいもので、20分ほどの練習の間にミスは一度もありませんでした。
もちろん彼らの技術力のおかげでもあるでしょうが、ミスを許さない空気の中で練習するのはやはり必要なのではないかと思います。
ある意味それは様々な技術の上達にもつながるでしょう。
3.多くの時間をかけて考える
ハンドボールはご存知の通りかなり頭を使うスポーツです。
オフェンスプレーヤーのフォーメーション、セットプレー、ディフェンス陣形、マークのチェンジなど、どれも簡単ではない問題なのに、一瞬で解答を出さなければならない。
彼らが考えることに多くの時間をかける、というのはそのためのトレーニングでもあるのでしょう。
セットプレーの練習でうまくいったところうまくいかなかったことを話し合い、改善点を探す。
ディフェンスの連携が取れていなかったところはマークマンの確認とチェンジのタイミング・サインを見直す。
もっと言うなら、彼らはシュート練習の時でさえGKや待機中チームメイトのと話し合って改善点を探しています。
そういう行動の積み重ねが、彼らの上達にも一役買っていることでしょう。
その貪欲な姿勢と論理に裏打ちされた技術はどんなときにもブレない強さ、強豪たる所以につながっているのだと思います。
また、ただ考えるだけでなく話し合っていることも大事なポイントです。
チーム全員が同じ解答を出せるのであれば、連係プレーもうまくいくでしょう。
がむしゃらにやるだけが正義ではない、ということですね。
強豪チームとて、何か特別なことをしているというわけではありません。
一つ一つのプレーをとにかく大事にしていけばおのずと彼らに近づく、あるいは追い越せることでしょう。