ハンドボールにおけるキーパーの役割
ハンドボールはキーパーの目なしに語ることはできないといっても過言ではありません。
どのような役割を担っているのか、どのような影響をチームにもたらすのか、こういったことについてまとめていきます。
1.キーパーにしか見えない世界
意識したことはないかもしれませんが、オフェンスでもディフェンスでもキーパーにしか見えないコートの見え方があるのです。
味方オフェンスのプレーに見られるスキや甘さ、相手ディフェンスの抜け穴や弱点など、またそれぞれの逆について、ハンドボールのすべてを一番よく見えるのは監督でも司令塔でもなくキーパーなのです。
チームメイトの強みも弱みもすべてがきれいに隅々まで映っている、それがキーパーの見える世界です。
2.仲間のためになにができるか
キーパーには自分にしか見えない世界があるといいました。
見えたものをどうするか、それがキーパーの手腕です。
自分に見えた世界をどう解釈してどう伝えるかというのがキーパーの役割であり個性であり、キーパーのレベルでもあります。
このスキマはどこが弱くて生まれたものか、どう攻めればそこを広げられるか、どう守ればその穴を埋められるか、だれをどう動かすべきか。
これを常に考えて伝える、オフェンスでは司令塔が指示を出すためのヒントを与え、ディフェンスでは自らが司令塔となる、これがキーパーの役割です。
3.最高のキーパーになるために
最後に、強いキーパーになるにはなにが必要かを考えていきましょう。
キーパーは試合の展開を考えるリーダーとなって、時には司令塔となって発言することが必要です。
そのためには試合の展開を把握し、コートの動きを読んで、適切な判断をする必要があります。
とにかくたくさんの試合経験を踏み、たくさんの試合を見ましょう。
ハンドボールにおいて試合の展開を理解する上で、経験は裏切りません。
ですがこれだけでは正しい指示を出すことはできません。
コートプレーヤーの事情を肌で感じましょう。
強豪校ではかならずキーパーにもコートプレーヤーの練習をやらせます。
もちろんコートプレーヤーとしての上達は望んでいません。
7人攻撃を主軸に置くチームではその上達も必要でしょうが、本懐ではないでしょう。
重要なのは日ごろ体験できない「“自分“に対する相手の挙動を知ること」です。
それがわかればコートプレーヤーに正しい指示が出せるようになるはずです。
もちろん最適解を出す必要はもちろんありません。
最終判断はコートプレーヤーのリーダーたる司令塔が出すべきです。
ただ司令塔にキーパーにしか見えない世界の情報を出し、答えの手掛かりを探させることが必要なのです。
キーパーとしてのセービング技術の上達も忘れてはいけませんよ。