ハンドボールのディフェンスシステムについて
ハンドボールのディフェンスにはいくつかのシステムがあり、システムごとに長所や気を付けるべきことが大きく違います。
それらについてまとめていきたいと思います。
1.他競技との違い
ハンドボールはかなり特殊です。
サッカーやバスケはゾーンディフェンスかマンマークのどちらかに大別することができますが、ハンドボールはドリブルが少なく接触が許されているためにゾーンとマークの中間のようなことをやります。
マークでありながらマークチェンジが多いし、ゾーンでありながら激しくマークしに行きます。
本当はシステム分類しきれないほど複雑です。
それでも、むしろだからこそ始めの決め事はしっかり決めておくのでしょうか。
以下でその決め事について紹介していきます。
2.6-0ディフェンス
ハンドボールで一番オーソドックスなディフェンスシステムです。
6mライン上に一列になって守るものです。
カットインに非常に強いシステムで初心者でも使いこなしやすいとされています。
ロングシュートには幾分弱いので、その対策をキーパーとも話し合っておきましょう。
右は止められるけど左は無理、というキーパーもいれば、ロングは打たせていいから絶対中に入れるなというキーパーもいるでしょう。
わかっていれば事前に対策を組んでおきましょう。
3.5-1ディフェンス
6-0から三枚目が一人飛び出したものです。
フローターに遊撃するものと誰か一人に張り付くもの、パスカットを中心として走り回るのと、絶対に中に入れないように追い掛け回すのと、様々なバリエーションがあります。
6-0の延長なのでやりやすいですがトップの選手の運動量がかなり多くなるので、交代で回すなどしていきたいところですね。
4.4-2ディフェンス
一対一ディフェンスが上達してくればこういったさらに攻めた姿勢をとることもできます。
三枚目二人ともが前に出るタイプです。
サイドやポストの選手が動きやすくなりますが、その分フローターへの負担を大きくでき、相手の消耗を狙っていくこともできます。
ポストを二人で完全につぶすことができるので、体格差のあるチームでも対応できる利点があります。
私はかなりこのシステムが好きでした。
欠点はトップの裏が広いので入られたらお終いなところですが、下に4人残っているので意外に守り切れるので良いと思います。
ただそれには全員が当たり負けしないだけのスピードとホールディングできっちり止めようとする意志が必要なので気が抜けないものです。
5.3-3、3-2-1ディフェンス
かなりアグレッシブなディフェンスシステムです。
トップだけでなくさらにもう一人前に出していくことで、パスをどんどん封じ込める作戦です。
マークチェンジの技術が上達したチームがやるとかなり手ごわいですが、その分敷居が高いのがネックです。
4-2以上に相手を消耗させる割に自分はそれほど疲れないという、うまくできたら最高のシステムですね。
6.その他変則ディフェンス
実は理論的に最強のディフェンス、クロスアタックというものがあります。
うまく敷けば最強ですが上達までの道のりが険しく、それなりの体力を要求されるためあまり見受けませんが、だからこそ勝ち越している試合後半で使われることがあったりします。
他にもその簡易版の変則クロスアタック、しばしばある社会人チームの名を取って大同ディフェンスと呼ばれるものや、負け越している後半にコートの全面で全選手に激しくプレスするオールコートプレスなどいろいろなシステムがあります。
それぞれに長所短所はありますが、どれにおいてもディフェンスは一対一の延長であり、それの上達が前提であることを念頭に置いて練習していきましょう。