ハンドボールのシュートと背筋の関係
ハンドボールのシュートと背筋、この関係についてしっかり真面目に考えたことのある人は案外少ないのではないかと思っています。
考えたことがある人もない人も、今一度確認の意味を込めて考えてみましょう。
1.空中での姿勢はだれが維持する?
ハンドボールのシュートはその大半が空中で行われます。
私たちはひとたび地面を離れてしまうとものすごく弱い存在になります。
支えを失い、方向を変えることもできずに地面から引っ張られるがままに落ちていきます。
そのために体の軸は勝手に崩れてしまう。
それでもハンドボールではどうにかして姿勢を保ち、思いのままに動かすことを求められます。
地上ではできたことがちょっと浮いただけでできなくなる、というのは思った以上によくあることなんですね。
特にそれは力強い動きをしようとしたときに顕著になり、ハンドボールで言うところのシュートです。
体の軸がぶれてしまうのを防ぐのはまさに背筋の仕事なわけです。
2.シュートとは自分が板バネになること
ハンドボールをやっていれば強い選手を生で見たこともあるでしょうし、プロの試合をテレビで見たこともあるかと思います。
そのときの彼らのシュートを注視したことはありますか?
強い選手は一様に、体を弓のようにしならせ、反った体を板バネのように使ってシュートをしていることに気が付くと思います。
彼らの投げる速いシュートは決して力任せに腕だけで作ることができるものではなく、背筋を目いっぱい使って作り出されるものなのです。
その証拠にプロハンドボーラーの体を見てみましょう。
ミケル・ハンセンのあのたくましい胴体を見れば、背筋がいかに必要か少しわかるのではないでしょうか。
3.高く跳ぶには
ジャンプ力を高めることはシュートにおいてとても重要であることはすでに皆さんも知っているかと思います。
高く跳べばそれだけ長くキーパーと向かい合うことができ、フェイントをかける余裕も持てますから非常に有利になります。
ジャンプ力を支える筋肉の中には背筋も含まれていることは忘れてはいけません。
シュートを打つ瞬間だけでなくジャンプする瞬間もまた体を弓のように利用することが必要になりますから、やはり背筋は重要だと考えられます。
これだけだとジャンプシュートの時にしか生きてこないように思えてしまいますが、そうではありません。
ステップシュートの最後の一歩というのは跳び上がらないだけでほとんどジャンプと同様の動作であることに気づいていますか。
この瞬間に一気に体が伸びあがる必要があり、まさにジャンプと言って差し支えないでしょう。
そういう意味でも重要になってきます。
背筋の重要性がわかったら筋トレも大事ですが、背筋を意識したシュートフォームをやってみることも大事です。
頭と体を同時に使うのが上達への近道です。
ハンドボールは一朝一夕で上達するものではありませんから、地道に練習を重ねていきましょう。